車 初代 Alfa Romeo 147

ちゃたけです。

今度はちゃんと車のお話。
初代。

Alfa Romeo 147 2.0 TwinSpark セレスピード

初めて買った車は、そう、イタ車です。ロメ男。

2008年に、2002年式を6年落ちで中古で取得。
2015年、丸7年乗って廃車。

この車が発表された2000年当時、初めて”乗りたい”と思った車だった。
自分の車に乗る、車を持つ、ということを初めて意識した車だ。
同じ頃に発表されたBMW・MINIも魅力だったが、アルファの方が上だった。

官能的なデザイン・個性、伝統の赤・ロッソ・アルファ、頑張れば手の届きそうな価格帯、そしてF1が子供の頃から好きだったので、F1マシンチックなパドルシフト搭載に心踊った。
その頃はまだ、フェラーリ等の高級スポーツカーにしか搭載されてなかった様に思う。
いわゆるセミオートマで、オートマ感覚で乗れるが、パドルシフトかシフトレバーで任意のタイミングで自分でギアチェンジ出来る。
クラッチペダルは無い。車が自動でエンジン回転を合わせて繋いでくれる。
でもオートマじゃないから、クリープ現象は無い。

またもや、丁度良いメカっぷりに惹かれる技術屋。
自分も職人なだけに、職人さんの手の込んだ仕事にはやっぱり興味が湧く。

ただ、その頃はまだ20代前半で、収入的にも、必要性としてもまだまだ現実的では無く、原付もあったし、会社の車もある程度自由に乗れたので、いつか乗れたらいいなと夢見る程度だった。

父がイタリア料理のシェフなので、イタリアには子供の頃から親近感や憧れがあった。
パスタとピザ大好き!
未だに行ったことないけど、、、

父は、最初の1台目こそ国産のマツダ・コスモを新車で乗っていたが、それ以降は、中古外車を乗り継いでいる。
思い出せる限りで、
・VW Golf ハッチバック(改造されたチューンナップカー)
・プジョー ハッチバック&ステーションワゴン 2台
・メルセデス・ベンツ セダン&ステーションワゴン 2台
・Volvo ステーションワゴン ←イマココ

短命だったのと長寿だったのと、価格もバラバラだけど、どれも年式の経ったかなりお買い得なものばかり。
なので中古外車に抵抗もなく、それが我が家では普通だった。
免許を取ってから初めて乗ったのも、左ハンドルのGolfだった。
親父はよく言っていた。
「国産車なんて高いだろ?」って。
国産車なんて高くて買えないから、中古外車を買えばいいっていう我が家の謎の家訓。
中古の国産車どこ行った。

外車に乗る為に必要なのは、少しのお金と、勇気。
それと、自分への言い訳。
これだけ。
壊れた時に、
「まったくもぉ〜手のかかるやつだなぁ、可愛いんだからぁ」
くらいの広い心で、壊れやすいけどそれと引き換えに、強烈な個性と運転の楽しみを手に入れると思えば、大丈夫。

買う時はね。

その後は、日頃の行いと、運です。
国産車だって壊れる時は壊れる。
外車は壊れた時の一撃がデカい、だけ。。。

外車は古いのに乗ってても、拘ってるんだなぁって勝手に思って貰えるのも気楽。

怒りの衝動買い

2008年、31歳の頃だったか、住んでいた目黒のマンション脇に停めていたジョルカブ(原付)が、しょっちゅう駐禁を切られまくる事件が勃発し、離れた場所に転々と停めても結果は同じ。
裁判所からの使用停止命令まで来て、反省文を書かされる。
不動産屋や、警察に相談しても煮え切らない答えばかり。
駐輪場借りなさいと言うんだけど、その駐輪場が無いんだってば。

まぁ、停めちゃいけないのはもちろんわかってはいるが、そもそも、そこに停めていいよと契約時に促してきたのは不動産屋。
やり場のない怒りに悩みに悩んだあげく、引っ越す気も無かったので、
駐車場借りて車買うか、と。そこにバイクも置けばいい。

憧れのアルファロメオを買う時が来た。今だ。

一念発起。清水の舞台から助走をつけてDive。
ネットでお店と在庫に当たりをつけ、直接店に行って、その場で契約。

147はやっぱり前期型だ。
丸みのあるライトが愛嬌がある。優しい顔。
後期型は吊り目でどうも可愛くない。
革シートには拘ったが、黒でもタンレザーでもどっちでも良かった。
どちらも似合っていて捨てがたい。
他に拘ったのは、5ドア。
後部座席の乗り降りがやっぱり楽だし、ドアの取っ手が隠しデザインになっている所がオシャレ。
初めて乗る人は、大体開かないもんだと思ってドアの前でキョトンとしている。

嬉しくて、成約時のお店のブログを残してた。
当時のとてもお世話になった店長さんのコメントだ。
恥ずかしっ///
そうです。運命の出会いでした。
最近、ゴルフはさっぱりなさっておりません。

それからしばらくして、千葉に引っ越したからいいけど、あのままあそこで維持してたらとんでもない維持費になっただろうなぁ。

F1以外に、そんなに車に興味があったわけでも無いし、詳しくもなかったが、
僕が駆け出しの頃からお世話になっていた先輩ミュージシャンが赤いAlfa GTVに乗っていたのを見ていたので、それがかなり背中を押してくれたと思う。
赤いアルファロメオは憧れだった。

相棒

それからはずっと一緒だった。

旅行の時も

釣りの時も。

レコーディングのお仕事もツアーの会場へも、いつも一緒だった。
辛い時も楽しい時も、いつも一緒に出かける相棒。

コックピットのデザインも素敵。
赤く浮かび上がる文字盤がエロかった。
BOSEのサウンドシステムがとても秀逸で、お気に入りの曲や自分のMIXした曲を聞くとテンションが上った。MIXチェックにもとても役に立った。
あの音は本当に手放したくなかった。

ヒップラインも官能的。
ボディラインのカーブがどこを切り抜いても美しいと思う。
街行く車を見ていると、どこか一部分だけ見ても、あ、アルファだって気づく。
それがデザインの個性なんだろう。
国産車ではそういう感覚になったことが無い。

別れ

いつまでも乗っていたかった。
ずっと一緒だと思ってた。
でも、別れは急にやってきた。

丸7年乗り、4回目の車検を迎える頃、ボンネットと天井のクリアがどんどん剥げてきて、ベロンベロンになってしまっていた。
日に日に傷は拡大してゆく。
塗装は日焼けで赤からオレンジへと。
外車は塗装が弱いとよく聞く。
青空駐車場な上に、どうやら駐車場裏の屋根に上る猫の通り道になっていた様だ。
爪で傷が付き、そこから拡大していったんだろう。

車検はいつも買ったお店にお願いしていたが、板金塗装でどうにかなるものか、どれくらい費用がかかるものか、近所の親父がずっと歴代の車を買って面倒を見てもらっている車屋に相談しに持ち込んでみた。

「もう、潮時です」

非情な言葉だった。
いや、今後の安全とお財布事情を考えて言ってくれてるんだけど、それはわかっちゃいるんだけど、、、
頭が真っ白になった。

前回の車検も確か30万くらいかかってた。
今回も経年劣化した部品を交換していけばそれくらいかかってしまうかもしれない。
それプラス、塗装の問題だ。
いくらかかるか、はっきりとは言わないが、他の車に買い替えた方が安いんじゃないかという金額になりそう。
まだ10万km行くか行かないかで、まだまだ走れると思っていたのに。

途方に暮れて、廃車の方向で話しつつ、なんか出来ることは無いか?
最後に思い出を。
廃車にする前日、洗車もしてあげてないけど、記念に写真を残してあげようと、海沿いの公園の誰もいない駐車場に車を停め、買ったばかりの使いこなせてもいない一眼レフでシャッターを切りまくった。
それがこのページに貼っている写真達。

引退グラビア。

喪失感と感謝と思い出で涙がこぼれそうだった。

廃車の引き渡し時に、車屋さんに頼んで、前後のエンブレムを引剥してもらい、記念に持ち帰った。
ハンドルも外して持って帰っていいですか?って言ってみたけど、工場に持ち込むのに運転するからダメ、って。
そりゃそうだ。

車との別れはいつも急にやって来る。
特に僕みたいに、中古車を乗り潰すスタイルだと、最後はそうなりやすい。
そろそろ色々とガタが来てるなぁって思い出した頃、車検時に引導を渡される。
薄々わかってはいたけれど、もっと乗れると思ってた。
だから次の車なんて、全く考えてもいない。

でも、安全の為には仕方ない。

さよなら。たくさんの思い出をありがとう。147。
初めての車が君で良かった。

次の車のお話はまた今度。
バイバイ。RTB。

ちゃたけ